「SCORE 80」は一筆書きゲームになるはずだった

こんにちは、伊勢崎です。
今回は、現在制作中のゲーム「SCORE 80」の開発裏話について書いてみようと思います。
実はこのゲーム、最初から現在のようなデスゲームを作ろうとして開発を始めたわけではありません。
もともとは、たった一つの「一筆書きゲーム」から始まりました。
そこからなぜ10種類以上のミニゲームに挑戦するデスゲームへと変わっていったのか。
開発中に考えたことや参考にしたものなど、普段はあまり表に出さない制作の裏側について紹介します。
意外な発見があるかもしれません。ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
SCORE 80とは?
「SCORE 80」は、簡単な脳トレを題材にしたミニゲームを、全10ステージにわたってノンストップで攻略していくデスゲームです。
プレイヤーであるあなたが目を覚ますと、そこは無機質な謎の空間。
そして目の前には、デスゲームの主催者らしき「クマ」が立っています。
プレイヤーの目的は、用意された全10ステージを突破して、この施設から脱出すること。
各ゲームには制限時間が設定されており、次のステージへ進むには「80点以上」のスコアを獲得しなければなりません。
100点に到達すれば、その時点でゲームは終了してステージクリア。
反対に80点へ到達できないままタイムオーバーになると、設定上は施設内に毒ガスが放出され、プレイヤーはゲームオーバーとなります。
なぜ主人公はここへ連れてこられたのか。
なぜこんな施設が存在しているのか。
そして、あのクマは一体何者なのか。
その答えも、最後までゲームを進めることで分かる……かもしれません。
現在も開発中ですが、完成した際にはぜひプレイしていただけると嬉しいです。
「SCORE 80」は一筆書きゲームになるはずだった
そんな「SCORE 80」ですが、実は最初は一筆書き専用のゲームになる予定でした。
最初に作りたかったものは非常にシンプル。
「マスを一筆書きで通ってゴールを目指すゲーム」です。
もともと自分自身が一筆書き系のゲームを好きだったこともあり、「とりあえず作ってみよう」くらいの気持ちで開発を始めました。
実際に作ってみると、これが結構面白い。
そこでステージをいくつか作り、障害物や特殊なマスなどのギミックも追加していきました。
ところが、開発を続けているうちに一つの問題に気付きます。
「これだけで一本のゲームにするのは、ちょっと面白くないな……」
一筆書きだけでは「ゲーム一本分」にならなかった
最初は、ステージをたくさん作って難易度を上げていけば、それなりに遊べるゲームになるだろうと思っていました。
しかし、実際にはそう簡単ではありませんでした。
デバッグ作業を繰り返しているうちに、開発している自分自身が飽きてしまったのです。
ゲーム制作者なら経験したことがあるかもしれませんが、同じステージや同じシステムを何度もテストしていると、どうしても飽きてきます。
もちろん開発者は普通のプレイヤーとは比較にならないほど何度もプレイするので、開発者が飽きたからといって必ずしも面白くないゲームというわけではありません。
それでも今回は、
「このままステージだけを増やして、本当に一本のゲームとして面白くなるのか?」
という疑問が自分の中に残りました。
結局のところ、ステージを増やして難しくすることはできる。
でも、難しくすることが、そのまま面白さにつながるとは限らない。
そう感じました。
「このまま時間をかけ続けるより、一度別の方向を考えたほうがいいかもしれない」
そう思い、開発を2~3日ほど放置しました。
しかし、この一筆書きを完全に捨てるのも、なんだかもったいない。
そこで思いついたのが、現在の「SCORE 80」につながるアイデアでした。
以前から作りたかった「デスゲーム」
個人的に、以前からデスゲームものを一度作ってみたいと思っていました。
デスゲームには独特の緊張感があります。
「失敗したらどうなるのか」という恐怖があり、謎解きやミステリーの要素とも非常に相性がいい。
ゲーム実況などでも展開を予想しながら楽しみやすいジャンルだと思っています。
そこで考えました。
「一筆書きだけでなく、いろいろなミニゲームを盛り込んだらどうだろう?」
一筆書きを捨てるのではありません。
「一筆書きを、もっと大きなゲームを構成する一つのステージにしてしまおう」
と考えたのです。
一つのゲームを延々とプレイするのではなく、ルールの異なるゲームが次々と登場する。
プレイヤーはその場でルールを理解し、限られた時間の中で80点以上を目指す。
こうして現在の「SCORE 80」の原型が生まれました。
デスゲームに必要なのは「狂気」
そして、個人的にデスゲームで大切だと思っているものがあります。
それが「狂気性」です。
ただ脳トレゲームが10種類並んでいるだけでは、普通のミニゲーム集になってしまいます。
そこで、ゲーム全体に不気味な世界観を持たせることにしました。
その象徴として登場するのが、冒頭からプレイヤーに話しかけてくる「クマ」です。
見た目はクマの着ぐるみのようで少しかわいい。
しかし、笑顔のまま恐ろしいことを平然と言ってくる。
そんな「かわいさ」と「不気味さ」が混ざったキャラクターにすることで、SCORE 80特有のデスゲームらしさを作ろうと考えました。
白黒の世界観なのはなぜ?
「SCORE 80」のゲーム画面は、ほとんどが白黒です。
一部のゲーム内演出や、残り時間が30秒を切った際に赤くなる演出などを除いて、基本的にはモノクロで統一しています。
これにも理由があります。
デスゲームらしい不気味さと、どこか本能的に感じる危機感を表現したかったからです。
色をたくさん使ってしまうと、デスゲームというよりパーティーゲームのような明るい印象が強くなってしまうと感じました。
そのため、あえて色を削りました。
白。
黒。
そして、危険を知らせるときだけ現れる赤。
必要最低限の色だけを使うことで、SCORE 80の世界観を表現しています。
また、以前制作した「MONO RAIN SURVIVE」という作品にもモノクロを基調とした表現を使っており、その経験も今回のデザインにつながっています。
なぜ「80点」なのか
SCORE 80では、制限時間内に問題をクリアしてスコアを稼ぎます。
そして、
80点以上取ればCLEAR。
だからタイトルも「SCORE 80」です。
では、なぜ100点ではなく80点なのでしょうか?
理由は、100点をクリア条件にしてしまうと、プレイヤーにとってストレスが大きくなりすぎると考えたからです。
人によって得意なゲームもあれば、苦手なゲームもあります。
計算が得意な人。
記憶が得意な人。
瞬間的な判断が得意な人。
すべてのゲームで完璧を求めてしまうと、苦手なステージが一つあるだけで先へ進めなくなってしまいます。
そこで、あえて合格ラインを80点にしました。
多少失敗してもいい。
でも、失敗しすぎれば80点には届かない。
この「少しだけ余裕がある」というバランスが、SCORE 80にはちょうどいいのではないかと考えています。
それに、学校のテストを思い出してみてください。
80点以上なら、かなり良い成績ですよね。
授業態度なども含めて総合的に評価されたら「5」が付くんじゃないかな……?(笑)
そんな理由もあって「80」という数字を採用しました。
一筆書きから「10種類のゲーム」へ
最初は一筆書き1種類だけだったゲーム。
しかし、ここから10種類のミニゲームを考えるのは意外と大変でした。
そこでヒントになったのが、過去に制作した「脳トレじゃんけん」です。
このゲームでは、画面に表示された指示に従ってグー・チョキ・パーを出します。
しかし、中には「指示とは反対のものを出す」といった問題もあります。
簡単なルールなのに、時間に追われることで焦って間違えてしまう。
この感覚はSCORE 80にも使えるのではないかと考えました。
さらに、自分が今まで遊んできたゲームや経験を振り返りながら、
「どんなゲームなら短時間でも面白いだろう?」
と考えていきました。
そこで、○×で答えるゲーム、条件に従って絵柄カードを並べるゲーム、シャッフルされた絵柄カードの順番を見抜くゲームなど、さまざまなルールを取り入れました。
記憶力、動体視力、運、計算力、観察力、判断力。
単純に10個のミニゲームを並べるのではなく、できるだけ違う能力を要求するゲームを用意することで、頭脳系デスゲームらしさを出しています。
参考にしたのは富士急ハイランド「絶望要塞」
実は「SCORE 80」を開発するにあたって、強く影響を受けたものがあります。
それが、富士急ハイランドのアトラクション「絶望要塞」です。
絶叫マニアなので、もともと富士急ハイランドにそういうアトラクションがあることは承知していたのですが、中に入ったことはありません。
最近YouTubeで仕組みを知って参考にしました。
絶望要塞では、いくつもの試練に挑戦しながら先へ進んでいきます。
ステージによって要求されるものが変わり、突破できなければ先へ進めない。
この「次々と違う試練へ挑戦していく」という体験から、大きな影響を受けました。
絶望要塞は実際に体を動かしながら頭も使う総合的なアトラクションですが、SCORE 80ではそれをそのままゲームにするのではなく、頭脳系のミニゲームに特化したデスゲームとして作っています。
一つの作品だけでなく、ゲーム以外の場所へ遊びに行った経験からもゲーム制作のアイデアは生まれる。
これはゲームを作っていて面白いと感じるところの一つです。
富士急ハイランドへ行く機会があれば、ぜひ実際に体験してみてください。
ゲーム制作者の視点でアトラクションを見てみると、「これ、ゲームにも使えそうだな」と思える仕組みが意外なところに隠れているかもしれません。
実際に作ってみて分かったこと
今回の開発を通して感じたのは、
「最初に考えたゲームシステムにこだわり続ける必要はない」
ということです。
一筆書きを完成させることだけを目標にしていたら、現在の「SCORE 80」は存在していません。
実際に作って、遊んでみた。
そして「何か足りない」と感じた。
一度開発を止めて考え直した。
その結果、一筆書きを捨てるのではなく、一つの要素として残しながら、まったく違うゲームへ発展させることができました。
小さなゲームをいくつも作り、それらを一つの世界観とルールでまとめて一本の作品にする。
こういうゲームの作り方もあるのだと、今回の開発を通して改めて感じています。
「一筆書きゲームを作ろう」
そんな小さなアイデアから始まったものが、
10種類以上のゲームへ次々と挑戦するデスゲーム「SCORE 80」へ変わりました。
まだ制作途中なので、これから開発を進める中でさらに変わる部分もあるかもしれません。
完成したとき、この最初のアイデアからどこまで変化しているのか。
自分自身も楽しみにしながら、引き続き開発を進めていこうと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!



