個人開発者がSteamでゲームを販売するまで

Steamworks登録の流れと、実際にやってみて大変だったこと
「自作ゲームが完成したから、Steamで販売してみたい!」
そう思ってSteamworksへの登録を始めたものの、実際にやってみるとゲームをアップロードするだけでは終わりませんでした。
本人確認、Steam Direct Feeの支払い、ストアページの作成、大量の画像素材の準備、ゲームビルドのアップロード、Valveによる審査……。
特に初めてSteamでゲームを販売する場合、思っていた以上に時間がかかります。
この記事では、実際にSteamへゲームを登録した経験をもとに、
Steamworksへの登録
本人確認
ゲームの登録
ストアページの作成
画像素材の準備
ゲームビルドのアップロード
Valveによる審査
「近日登場」ページの公開
ゲームのリリース
までの流れと、実際に躓いたポイントを紹介します。
目次
1. Steamでゲームを販売するまでの全体的な流れ
まずはSteamでゲームを販売するまでに何をする必要があるのか、全体像を紹介します。
大まかな流れは、
Steamworks登録
↓
本人・銀行・税務情報などの登録
↓
Steam Direct Feeの支払い
↓
ゲーム(アプリ)の登録
↓
ストアページ作成
↓
ストア用画像・スクリーンショットなどの準備
↓
ゲームビルドのアップロード
↓
ストアページ・ゲームビルドを審査に提出
↓
「近日登場」ページ公開
↓
リリース
という形になります。
「完成したゲームをアップロードすればすぐ販売できる」というわけではないので、注意が必要です。
2. Steamworksへの登録
まず必要になるのがSteamworksへの登録です。
Steamでゲームを販売する場合、Steamworks Partnerとして登録し、販売者として必要な情報を入力していきます。
ここでは、
氏名・住所などの情報
本人確認
銀行関連情報
税務関連情報
などを登録していきます。
ゲームそのものを登録する前に、この手続きが必要になります。
3. 最初に躓いた「本人確認」
個人的に最初に苦戦したのが本人確認でした。
私は運転免許証を本人確認書類として使用しました。
単純に免許証をスマートフォンで撮影して終わり……と思っていたのですが、写真の撮り方や書類の状態などに気を遣う必要があり、思っていた以上に手間がかかりました。
「ゲームをSteamに登録する」というとゲーム関連の作業ばかりを想像してしまいますが、実際にはこうした事務的な手続きもあります。
初めて登録する人は、本人確認で時間がかかる可能性も考えておいたほうがいいと思います。
「躓いたポイント」
撮り方に問題があると、英語表記の住民票や銀行などの口座を送ってくださいと再提出を求められます。
英語表記のものを用意できなかったので、再度運転免許証で、
端が切れないようにちゃんと撮る
切り取らない
顔の前でちゃんと免許証を持って自撮りする
これを徹底したら通りました。
4. Steam Direct Feeを支払ってゲームを登録
Steamでゲームを登録する際には、Steam Direct Feeを支払います。
ここまで完了すると、いよいよSteamworks上で自分のゲームを登録して、リリースに向けた設定を進められるようになります。
ただし、ここで注意したいのが、
「登録料を支払った=すぐ発売できる」ではない
ということです。
初めて登録するときは、発売までのスケジュールに余裕を持って進めることをおすすめします。
私はデビットカードしかもっていないので、デビットカードでの支払いができませんでした。そのため、PayPalを使い支払っています。
コンビニ決済なども使えるみたいなので、クレジットカードを使いたくない人などはそちらを使うと良いかもしれません。しかし、繁栄に数日かかることもあるみたいなので、お急ぎの場合はネット決済が便利です。
5. 想像以上に大変だったストアページ作成
個人的にかなり時間がかかったのが、Steamストアページの作成でした。
ゲームタイトルや説明文を入力するだけではありません。
ゲーム説明文
短い説明文
対応言語
ジャンル・タグなどの情報
システム要件
スクリーンショット
各種グラフィック素材
トレーラー
対応機能
など、ゲームを販売するための情報をかなり細かく設定します。
ゲーム開発が終わってから、
「さて、Steamに登録しよう」
と始めると、ここで予想以上に時間を取られる可能性があります。
6. 特に大変だった「Steam用画像」の準備
Steamでは、ゲームを掲載する場所に応じて複数種類の画像が必要になります。
しかも、
「適当に16:9の画像を何枚か用意すればOK」ではありません。
Steam側から画像サイズが細かく指定されています。
ストアに表示されるカプセル画像、ライブラリ用画像、ロゴ、スクリーンショットなど、それぞれ用途とサイズが異なります。
そのため、
「この画像を作ったから全部に使い回そう」
ということが難しく、同じゲームでも複数のサイズに合わせた素材を作る必要があります。
ゲーム本編の制作とは別に、
「Steamストア用の素材制作」という作業を一つ用意する
くらいの感覚で考えておいたほうがいいと思います。
指定されたサイズを用意できない場合、Canvaを使うのが便利です。
ゲーム制作している人ならきっとイラストを描くこともあると思うので、イラスト制作用のアプリを使用して画像を用意するのもありです。
7. ゲームビルドをSteamworksへアップロードする
ストアページとは別に、実際にユーザーがダウンロードするゲーム本体もSteamへアップロードします。
ここではSteamworks SDKやSteamCMDなどを使用して、ゲームのビルドをSteamへアップロードしていきます。
初めての場合、
SteamCMDの使い方
App ID
Depot
VDFファイル
ビルドのアップロード
ブランチの設定
defaultブランチへの反映
など、聞き慣れない言葉が一気に登場します。
ゲームを完成させる知識とはまた違った知識が必要になるため、ここも時間に余裕を持って作業したほうがいいポイントです。
ちなみに「Webからアップロード」を選択してアップロードすることもできます。2GBまでのファイルならそちらを使うのもお勧めです。 2GBを超えてしまう大きなゲームファイルの場合は、SteamCMD必須です。ダウンロードして使いこなせるようになりましょう。
8. ストアページとゲームをValveの審査へ提出
準備ができたら、Valveへ審査を依頼します。
ここでは主に、
ストアページ(Store Presence)
と
実際のゲームビルド
を確認してもらいます。
ゲームが正常に起動するか、ストアページの説明とゲーム内容が一致しているか、必要な設定が正しく行われているか、といった部分が確認されます。
問題があれば修正して、再度確認してもらうことになります。
そのため、
「発売日の前日に審査へ出せばいい」
という考え方は避けたほうがいいでしょう。
体感ですが、5日~1週間程度かかります。
再審査となるとそこから修正してさらに1週間後とかになるので、提出は早めに済ませておく必要があります。
基本ストアページで引っかかることが多いです。
ビルドファイルは別の媒体を使用したり、ログインなどで個別に管理しない場合は基本すんなり行けると思います。
9. 「近日登場」ページを公開する
ストアページが承認されたら、「近日登場(Coming Soon)」としてSteamストアにゲームを公開できます。
ここまで来ると、一般ユーザーもゲームのページを見ることができ、ウィッシュリストへの登録などが可能になります。
ただし、Steamでは「近日登場」ページを公開してすぐにゲームを発売できるわけではありません。
最低限必要な公開期間が存在します。
そのため、ゲームの発売日から逆算してストアページを準備する必要があります。
10. 「完成してからSteam登録」は遅いかもしれない
今回実際に登録してみて感じたのが、
Steamへの登録作業は、ゲーム完成後に始めるものではない
ということです。
ゲーム本編が完成していても、
本人確認
Steamworksの設定
ストアページ制作
ストア画像制作
スクリーンショット撮影
トレーラー制作
ビルドアップロード
Valveの審査
「近日登場」期間
などが残っています。
ゲーム自体が完成していても、そこからすぐ発売できるとは限りません。
11. リリースまで「1か月程度」は見ておいたほうがいい
Steamには、Steam Direct Feeを支払ってからリリースできるまでの待機期間があります。
さらに「近日登場」ページを一定期間公開する必要があり、ストアページとゲームビルドの審査にも時間がかかります。
私自身、実際に登録作業をしてみて、
「ゲームが完成したら、数日後にはSteamで発売できる」
くらいの感覚で考えていました。
しかし、実際には登録から審査、ストアページの準備、リリースまでを含めると数週間単位で考える必要がありました。
初めてSteamでゲームを発売する場合は、
最低でも1か月程度の余裕を持って準備を始める
くらいのスケジュール感で考えておくことをおすすめします。
実際にSteamへ登録して感じた注意点まとめ
最後に、今回の経験から特に伝えたいポイントをまとめます。
① 本人確認は早めに済ませる
ゲームとは直接関係のない部分ですが、最初の手続きで躓くと、その後の作業に進めません。
② Steam用画像は想像以上に多い
サイズや用途が決められているため、ゲーム完成後に一気に作ろうとすると大変です。
開発中から少しずつ素材を準備しておくことをおすすめします。
③ ストアページ制作も「開発作業」の一部と考える
説明文、スクリーンショット、画像、トレーラーなど、かなりの作業量があります。
④ ビルドアップロードも事前に練習する
SteamCMDなど、初めて触る場合は設定だけでも時間がかかります。
発売直前に初めてアップロードするのではなく、一度テストしておくと安心です。
⑤ リリース予定日の1か月以上前から動く
審査だけでなく、Steam側で設定されている待機期間もあります。
「ゲームが完成した日=発売できる日」ではありません。
これらのことから、Steamでゲームを公開することに挫折してしまうポイントかもしれません。
まとめ
Steamで個人開発ゲームを販売すること自体は、決して不可能なほど難しいものではありません。
しかし実際にやってみると、
「ゲームを完成させること」と「Steamでゲームを発売できる状態にすること」は別の作業
だと感じました。
特に初めてSteamworksを利用する場合、本人確認やストアページ制作、画像素材の準備、SteamCMDによるビルドアップロードなど、初めて経験する作業がたくさんあります。
これからSteamでゲームを販売しようと思っている方は、ゲーム完成後に登録を始めるのではなく、発売予定日の1~2か月前くらいからSteamworks側の準備も並行して進めておくと、かなり余裕を持ってリリースできると思います。



